ぶらり温泉ひとり泊
夏油温泉 元湯夏油
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小笠原諸島で観測史上2番目の58.8メートルという最大瞬間風速を記録した台風14号が、大きく関東の東海上を迂回した晴天の秋空の下、東北新幹線に乗って北上駅で降りて夏油温泉に向かう。送迎バスに揺られて緩やかな道を30分、険しい山道を20分、計50分かけて秘湯夏油温泉に着く。850年の歴史があるという秘湯だが、今日では車やバイクで訪れる人も多く人気の温泉地だ。ただし、ここへ通じる山道は細いために大型バスが乗り入れることができない。そのためか、10人以上の団体客はなかなか来ることができない。
夏油とはアイヌ語で「グッド・オ」(崖のあるところ)に語源があるようで、それ以外にも冬は豪雪のために利用できなくなることから「夏湯」といわれ、お湯が夏の日差しでユラユラと油のように見えたので、後に「湯」が「油」になったとも伝えられている。元湯夏油には本館、別館をはじめ全部で9棟の館があり、それぞれが短期宿泊者用だったり、自炊もできる長期滞在者用だったりする。私が案内された部屋は別館の広さ6畳一間で、バス・トイレはなし。部屋にはテレビとセーフティボックのみ。テレビは山間なのに結構きれいに映る方。携帯は圏外。
お風呂は内風呂が白猿の湯と小天狗の湯の二つでそれぞれ男女別浴。白猿の湯は壁が岩とタイルで作られていて、小天狗の湯は壁が木と石で作られている。白猿の湯はダイナミック感があり、小天狗の湯は落ち着きのある作りなっている。露天風呂は大湯、滝の湯、疝気の湯、真湯、目の湯の5つ。お湯はすべて源泉かけ流し。それぞれのお風呂は泉質がちがい、温度は熱いものもあれば、温いのもある。基本的にすべて混浴だが、時間によっていくつかが女性専用になり、男性は入ることができない。すべての露天風呂は夏油川沿いにあり、温泉のために少し白くなっている渓流を眺めながら入浴できる。なかでも大湯はブナの森林浴のなかでラジウム硫黄泉の湯に浸かると体が心底ほぐれるような気になる。湯はラジウム硫黄泉だがさほど強くはなく、お湯のにごり度も湯花いっぱいで底が見えないほどではない。宿の案内には長時間の入浴は湯あたりの素であり、1日3回の入浴が限界と記している。
食事は大広間か食堂になる。予約時に8品、10品、12品のコースを選択。私は10品ぷらす馬刺しを頼んだ。天ぷら、イワナ、簡単な鍋、タケノコ焼き、お刺身、茶碗蒸しなどかなりの量でびっくり。山のもの、川のもの、そして海のものとフルコースである。言葉は悪いがこれでは秘湯の料理とは言えない。ちなみに一番おいしかったの馬刺しとそのタレとニンニクおろし。朝食は種類も豊富なバイキング形式。和食も洋食もあり勝って気まま好きな物が食べられる。これまた秘湯の料理とはとても思えなかった。
(2006年9月24日逗留)