ぶらり温泉ひとり泊

蔵王温泉 昭栄館

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山形駅からバスで約45分。山交バスターミナルから歩いてほんの2〜3分。蔵王温泉街のメインストリート高湯通りに面しいる。宿の造りはごくシンプルなもので、なにかシンボルがあるというわけでなく、内装が凝っているわけでもない。言葉は悪いが華美装飾も何もない旅館である。

通された部屋は2階の広さ8畳ほどの部屋。ここにも何もない。ただ、問題はいまどきの旅館では珍しく、テレビが100円を入れる有料形式なのだ。しかし、これには宿側の事情がある。というのも、温泉の硫黄分のためにテレビが1年ももたいないうちにおかしくなってしまい、泣く泣く有料にしたのだそうだ。実際、私の部屋の窓際の格子なども硫黄でやられていた。

お湯は蔵王温泉にある3つの共同浴場の温泉(上湯、下湯、川原湯)とも違う源泉とか。お風呂自体は小さな浴槽がポツンとあるだけの実にシンプルな造り。どこか小さな町の共同浴場のような雰囲気。これにも理由がある。温泉が源泉かけ流しのため温度調整が難しい。温泉が冷たくならないよう湯船を小さくすることで温度を保っているのだ。お湯は底が見えないほどのにごり湯でく青白い程度だが、硫黄泉特有の臭いを放っている。温度もさほど高くないが、肌に感じる刺激はかなり強力で、長湯をすると間違いなく湯あたりするに違いない。

食事は別室での食事だが、お客さんがほとんどいなかったので、貸し切り状態。献立は焼きたてのタケノコ焼き、なめこと山芋の酢づけ、ほかにもぜんまいなどの山菜のオンパレード。これ加えて、鮎の塩焼きや牛肉とえのきの陶板焼きなどともりだくさんである。おかげで、ビール大瓶1本、日本酒熱燗二合2本がちびりちびりと一緒に消えていった。正直、こういう料理は酒飲みには反則である。山菜はここの御主人がその日に蔵王の山に出かけ、採取してくるもので、その日しか食べられない山菜もあるそうだ。

(2005年6月20日逗留)



新佐衛門の湯

午前10時〜午後9時30分。料金は600円。場所は山交バスターミナルより東へ徒歩5分。建物は湯治場のイメージで造られたそうだが、お風呂はなぜかすべて露天風呂。半天井部分や源泉を流す樋などに木を使い、浴槽は岩で造られている。他に家族のための貸切風呂(冬季休業切)もある。また、小さいながらも休憩室もある。ただし、ここは基本的に共同浴場なので、残念ながら館内での飲酒などは禁じられている。加えて、混雑時は1時間以上の利用が不可なので休憩室で仮眠などを取ることも難しいようである。



上湯・下湯・川原湯(共同浴場)

蔵王に昔からある共同浴場。上湯と下湯は高湯通りに面してたっている。一方、川原湯は川原屋旅館のとなりにある。下湯は上湯のお湯を供給されているので、泉質などは一緒。そのために上湯に入る。ここは浴室がすべて檜作りで昔ながらの風情がある。上湯の浴槽はおおよそ1間×2間の大きさで、そこに47度の源泉が脈々と流れている。浴室には水もなければ、沸かし湯もない。完全にかけ流しだけのお湯しかない。観光客がいるときはおそらくイモを洗うような混雑かもしれないが、平日だったために地元の人たちが浴槽の周りの壁に身を委ねては、お湯をかけたり、たまに浴室に入っては自然の恵みを満喫している。こんな日常をおくれることは羨ましい。