ぶらり温泉ひとり泊

銀山温泉 昭和館

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おしんの故郷として有名になった銀山温泉。またJR東日本の観光ポスターでも脚光を浴び、一時はどの旅館も予約を入れるのが無理なぐらいの人気を博した。ただし、私が訪れたときは平日ということもあったが、お客が入っているように見えた旅館は能登屋と藤屋だけであった。

開湯は江戸時代の寛永年間で、野辺沢銀山で働いていた工夫が銀山川の中に湧いていた温泉を発見したといわれている。銀山閉山後は湯治場として賑わったが、大正二年(1913年)の大洪水により温泉街は壊滅した。しかし、地元財界の力で復興し、現在のような温泉街の光景が作られ、今なお大正時代の風情を色濃く残している。

人間とほぼ同じ等身大のタヌキが玄関横にいる昭和館は、大正時代に作られた建物を2004年11月に建て替えた。外見は一見木造建築風だが、実際は鉄筋6階だての近代的設備の旅館で、私が宿泊したときはまだ部屋の畳には香りが残っていて非常に気持ちよかった。

私が案内された部屋は2階の梓の間。部屋の広さは六畳プラス縁側のような部屋。これにウォッシュレットのトイレが付く。ひとり旅ならばこの広さで十分である。テレビ、金庫、冷蔵庫もあり快適快適。眼下には銀山川が流れ、反対側はアメリカ人の女将で有名な藤屋が見える。夕方になるとガラス張りのガス灯にも燈が灯り、大正ロマンの風情を醸し出してくれる。

内風呂は2階に男女ひとつづ。そして、6階に天空風呂という半露天風呂がある。ここは時間によって男女が使用するが、宿泊客は私ひとりだけだったので、いつ入ってもいい貸切状態だった。風呂からの眺めは他の旅館を眺め降ろすかのようで、天空風呂という名にふさわしい気分を味わえる。

食事は部屋食ではなく、いわゆる食事処でとる。ただし、各階別々のようである。まあ、私は唯一の客だったので誰にも気兼ねすることなく、食事処で夕食をいただいただいたが、それでもやはり落ち着かない。部屋食だったら裕に1時間20分以上かけて食事するのだが、結局45分で終わってしまった。やはり世話しいのである。

で、味であるが、これはもうパーフェクトに近いぐらい美味しい。旅館のキャッチ(看板に書いてある)が「味とまごごろの宿」とあるだけのことはある。イワナの刺身、鮎の塩焼き、尾花沢牛の陶板焼き、そして、鴨鍋のような湯豆腐などなど。どれをとってもいい味付けをしている。これほど旨い味付けをしている宿はめったにあるものではない。そういった意味では部屋食だったら、もっともよかったのにと思わざるをえなかった。

実際、あまりに食事が美味しかったせいか、部屋に戻ってきてからすぐにウトウトしてしまった。

(2004年12月27日逗留)



大湯(銀山温泉)

銀山温泉の共同浴場として古くから地元の人、観光客に親しまれている。温泉街のほぼ中央、藤屋と旅館永澤平八の間に位置する。入浴料は200円で入口にある箱に入れる。時間は午前8時から午後8時まで。

男湯は長さ2メートル半×1メートル半の大理石の浴槽があるだけでいたって質素。ただ、硫黄の成分が壁や床のふしぶしを錆び付かせていて、昔ながらの温泉の共同浴場の風情を出している。お湯の色は淡いブルーがかった乳白色のお湯。硫黄の臭いはさほど強くない。しかし、地元の人が言うにはかなり強い温泉なので長湯は禁物とのこと。5分浴槽に入って、あとは外に出て足でもつかりながら休んで、最後にサッと入って上がるのがいいとのこと。



しろがねの湯

温泉街の入口近くに作った新しく作った共同浴場。料金は五百円だが、私は昭和館のご主人から優待券をもらったのでタダで入った。泉質は大湯ほど硫黄分はなく、熱いながらもサラッとしていた。