ぶらり温泉ひとり泊

中山平温泉 仙庄館

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鳴子温泉郷のなかで山間部にある中山平温泉。そのなかでも清流沿いにあることで知られる仙庄館。建物は鉄筋4階建ての近代的なりっぱな宿で、部屋は非常に清潔だが風情があるとはいえない。

しかし、ここの売りはなんといっても風呂だろう。立地条件がさほどいいわけでもないのに、ここは立寄り湯のお客さんが多い。ただし、その人たちのための休憩所は簡素なもので、せめて畳敷きの部屋を用意して上げたいものだ。ただそうすると、宿泊客が減っちゃうかもしれないな。

男湯の大浴場の浴槽は長さ約7メートル×約3メートルはあろうかという大きさで、そこに白濁色のお湯が漫々と満ちている。広いガラス窓からは眼下には大谷川の渓流が望むことができ、内風呂の割にはかなりオープンな雰囲気がある。お湯はにごり湯がもつ柔らかさが肌にここちよく、ついつい長風呂をしてしまいそうなぐらい気持ちがいい。

大浴場は2階にあるが、露天風呂は1階にある。昼間は浴槽の下まで見えるエメラルドグリーンの色だったが、これが夜になると綺麗な乳白色になっていた。宿のキャッチフレーズが「月見の宿」とあるので、夜に入ってみるとそれはまさに偽りのない言葉だった。

川と対岸の山の上に浮かぶ満月を望む景観は、これまで入った数多くの夜の露天風呂の風景のなかでは文句なく一番だ。ときおり舞い落ちる粉雪。足早に流れていく雲間から魅せる満月はまさに夜空の顔とばかり煌々しく、エバッテいるふうにさえ見える。おかげで、オリオンの三つ星たちが気弱な輝きにしか見えない。めちゃくちゃオープンエアのこの露天風呂はまさに「月見の宿」にふさわしい風呂だった。大浴場は24時間入浴可能だが、露天風呂は夜は11時までとのこと。

夕食は部屋食夜食。ただし、時間は午後5時半から午後6時となんているようだ。これでは少々忙しい。いくら中居さんや板前さんの都合があるにせよ午後7時ぐらいまでは猶予を与えてもらいたい。

食事の内容は100グラム以上はあるサーロインステーキに、刺し身の身の盛合せ、野菜の煮物、魚の塩焼きなどで十二分の量。冷蔵庫にあったビールを飲みながら、約2時間かけてすべてを平らげた。満足満足。ただやっぱし午後6時の食事というのは都会人にとっては早い。

(2004年12月26日逗留)