1762年創業の一軒宿。奥羽本線峠駅から送迎バスで約15分。徒歩の場合は約1時間15分程度かかるという米沢の秘湯。冬場は積雪のために休業しなければならいないという奥地。駅からの道はかなり険しく狭く、車が行き違うときなどどちらかの車が谷間に落ちはしないかと思うほどである。
宿は清川のすぐそばにたち、部屋数は30以上あるかなり大きな宿である。私が案内された部屋は地階の13号室。地階といっても雪のための床あげ建築のために実質1階半といった感じ。部屋からは目前に渓流の滝が一望でき、その滝の轟音に最初は圧倒された。部屋の広さは六畳一間。洗面・トイレは共同。ちなみにここにはトイレ付きの部屋はない。部屋にはセイフティ・ボックスがあるが、冷蔵庫はない。フロントのそばに自動販売機はがあるので、飲兵衛の人もビールなどの心配をする必要はない。携帯は圏外だった。
ここの旅館はとにかく従業員がみんな気さくでフレンドリー。辺にかしこまることもなく、逆に辺に馴れ馴れしくもない。誰もがここの温泉に秘めた誇りをもち、そして気配りのあるサービスをしてくれている。それは私があった従業員たちだけなのだろうか。
露天風呂は宿をいったん外に出て、30秒ほどの歩いた上流沿いにある。開放感に溢れていて、かなり極上の露天風呂である。基本的に混浴なのだが、午後4時から午後5時30分までは女性専用になる。泉質は硫酸塩泉だが、さほど硫黄の臭いはきつくはない。これまでに数多くの露天風呂に入ってきたが、ここは自然にフィットするのんびりする露天風呂としては5本の指に入る。
内風呂は混浴(といってもほとんど男性用)と女性用がある。風呂は完全な源泉かけながし。お湯の温度はおそらく46〜7度程度と思われるので、それが流れている間に自然に低くなり、風呂に流されている。もちろん、その辺の微妙な温度調整に努力はしているとは思うが。いすれにしろ、お湯はこれまで入った多くの硫黄泉に比べると柔らかい。
食事は部屋食。この食事にはちょっとびっくり。お膳を三つも運んできてくれたからである。そのなかのひとつは事前に予約した米沢牛の刺身。にんにく醤油で食べるが、やはりこれは絶品。東京でもよく牛刺しや馬刺しは食べるが、やはり地元ならではの新鮮なおいしさがある。ほかにも山菜のおひたしやマヨネーズ和えなど地元ならではの料理がいっぱい出てかなり満足。
おいしい食事で宿泊代はそこそこ。秘湯気分をたっぷり味わってこのサービスを提供し続けるのは大変だろうが、今後ともぜひガンバってほしい。
(2005年6月19日逗留)