ぶらり温泉ひとり泊

大涌谷下湯温泉 萬岳楼

http://www.bangakuro.com/


「まんがくろう」ではなく「ばんがくろう」と読む。箱根鉄道強羅駅からタクシーで約5分。料金は1220円だった。周囲をうっそうとした雑木林に囲まれた鄙びた宿で、箱根とは思えない静かな環境だ。箱根にこんなところがあるのかと、初めて訪れた人ならば誰もが思うに違いない。

創業明治4年の老舗和風旅館。建物自体も古く、お世辞にも綺麗な造りとはいえない。玄関はかなり広く、ロビーもゆったりしている。120年以上の歴史があるような風情を感じる。というより、どことなくわびさびか幽玄の世界を感じる。

部屋数は全部で10室。1階の6部屋には全てお風呂がついている。私は2階の部屋に通されたが、部屋は8畳だが天井が高いせいか広々とした感じがする。畳はかなり年季が入っていて、葵い畳色ではなく収穫された稲のような色に変色していた。

内湯は二方が広いガラス窓になっているために、露天風呂のような開放感がある。湯船は長さ約3メートル×1.5メートルの長方形の縦桧作り。その深さは入ってちょうど肩口にくるぐらいの高さ。浴槽は湯の花だらけで、非常に濃い乳白色。お湯は70度以上の大湧谷からの源泉を引いているので、水でうすめないととてもじゃないが入れない。露天風呂は30分交代の貸切制。男湯のすぐ近くにあり、露天風呂への飛石の道からは男湯が丸見えになる。浴槽の大きさは長さ1.5メートル×1メートルほどの大きさでカップルで入ると最適の広さである。作りはしっかりとした桧作りで、こちらお湯は源泉かけ流しなので、入浴の際は水でうすめることになる。

泉質は酸性−ナトリウム・カルシウム・マグネシウム−硫酸塩泉。ただし温泉分析書には石膏泉と書かれている。効能は高血圧、動脈硬化症、皮膚病、キズなど。

食事は部屋食。夕食は原則午後6時と決まっているようで、7時にしてくれと頼んだが断られた。さて、その内容だが鄙びた宿としてはかなりの量(失礼)。12月ということで鍋(寄せ鍋)がメインだったが、それ以外にも刺し身の盛合せ、里芋の煮物、鯛のカマ焼きなどなどでかなりの満腹感を味わえる。あと季節のフルーツがデザートもあった。味付けは田舎風というかオーソドックスというか、凝ってはいないものの良質の家庭料理的な味を楽しむことはできる。

(2004年12月7日逗留)